内見での室内・建物周りのチェックポイント

室内のチェックポイント
室内(居住部分)をチェックするときの主なポイントは以下の3点です。
【間取りや広さ】
まずは、間取り図と見比べながら部屋の配置や広さをチェックしましょう。ここで注意すべき点は、単純に間取りを眺めるだけでなく、家具のレイアウトを意識しながら見るということです。例えば、居室入口が開き戸か、引き戸かという違いだけでも家具のレイアウトは異なります。
なぜなら、開き戸であれば扉が開く軌道箇所には物は置けませんが、引き戸は置けるからです。ほかにも、柱や梁(はり)によってうまくレイアウトできない家具もあるので、自宅にある大型家具や家電の採寸は事前にしておいた方がいいでしょう。そうすれば、内見時に配置が可能かどうかを判断できます。
【設備の状況】
設備については、主にそのものが正常に使える状態かを確認します。例えばエアコンが備え付けであればきちんと起動するか、設定の切り替えはスムーズか、またトイレの温水洗浄便座は正しく機能するか、物件概要に記載している設備はすべて整っているか、水道の出具合、排水の流れ具合は問題ないかなど、細かくチェックしましょう。
基本的に室内の設備が故障したときはオーナー負担により修理しますが、使い方が悪くて故障したときは入居者が負担する場合もあります。故障・不具合の原因が明確でないとトラブルの元になるので、入居前に設備がきちんと作動するかの確認は重要なのです。
また、フローリングの傷やクロスの剥がれ・汚れ、ガラスのひびといった破損・汚損についても確認しておきましょう。内見時に気付いて不動産会社の担当者に伝えると、入居までに直してくれることもあります。反対に見逃してしまうと、退去時の原状回復費用に加算され、敷金の返還金額に影響してしまうかもしれません。
【日当たりと眺望】
直接の建物などの確認ではありませんが、日当たり・眺望は現地でしか確認できません。窓の向きによって日が差す時間帯は異なります。東向きであれば午前中、南向きであれば朝から午後にかけて、西向きは午後から夕方にかけて日が差します。遮蔽(へい)物や反射光などを含めた、日光の入り具合を気になる時間帯で確認しましょう。
また、眺望面も単純に眺めがいい・悪いではなく、道路や鉄道からの音、工場施設からの音や飲食店からのにおいなども確認するとよいでしょう。眺めがよくても窓を開けておけないという、住んでからの後悔を防げます。
共用部分のチェックポイント
次に、建物周り(共用部分)の主なチェックポイントを同様に3点挙げます。
【設備の充実度と使いやすさ】
まずは、共用設備の充実度と使いやすさを確認しましょう。例えば、駐車場や駐輪場は入居後に使用分を確保できるか、エレベーターは住戸数に対してストレスなく使えそうか、セキュリティー設備は安心できるレベルで整っているか、などです。駐輪場はラック式か平置きかで使いやすさは大きく異なりますし、上段か下段かでも異なります。セキュリティー設備は、留守のときや夜間、特に一人暮らしをする人は安心して暮らすために、内見時にしっかりと確認しておきましょう。
【共用部分の照明や清掃状態】
共用部分の照明の具合や清掃状態は、その物件の管理状況を表していると言えます。廊下の電球が切れたままになっていたり、エントランスや廊下、階段にゴミが目立っている物件は、管理に手をかけていないかもしれません。そうなると、入居後に不具合が生じたときにも「管理会社に連絡がつかない」あるいは「対応が遅い」など、日常生活に支障が出る場合もあるので気を付けましょう。
【居住者の共用部分の使い方】
どういうことかと言うと、例えば、ゴミ置き場に回収日時以外にゴミが置かれていたり、廊下に私物が出しっ放しになっていたり、駐輪場以外の場所に自転車が放置されていたりする状況がないか、ということです。居住ルールを守れない人がいると、今後一緒に住んでいく上で不安です。この点は、このような共用部分の使い方である程度判断できるので、注意深くチェックするようにしましょう。
その他のチェックポイント
その他、うっかり見落としがちなチェックポイントをいくつか挙げておきます。
【携帯電話の電波状況】
今や都市部の立地で、携帯電話(スマートフォン)の電波を受信しにくいという環境は考えにくいかもしれません。それでも、建物の構造や周囲の建物の立ち具合などに影響を受けて、電波が入りにくい部屋ができてしまうことはあり得ますから、内見の際は各部屋で受信具合を確認するといいでしょう。
【玄関間口・通路幅】
引越し時には、冷蔵庫や洗濯機といった大型家電、ソファ・ベッドなどの大型家具の搬入があります。実際に運び入れるときに、玄関間口や通路幅が狭くて物品を中に入れられなかったという事例は現実にあります。これは設置場所の寸法だけ測って安心し、搬入のことを考えなかったために起こることですから、設置場所までに通る箇所すべての広さを確認する必要があるのです。
【遮音性】
音の確認については複数あります。まず外からの音の遮音性です。窓を閉め切ったときに、外音が漏れ聞こえないかを確認しましょう。そもそも周囲の騒音がどの程度か、窓を開けておいたときに気になるかどうかも、もちろん確認します。
次に上階および隣接住戸からの音の響き具合です。内見時にこれらを確認することは、なかなか難しいので、現実的には不動産会社の担当者に聞くということになります。ただし、これは自分の生活音にどれだけ気をつけなければならないかにもつながるので、住んでからのトラブルを避ける意味でも、忘れず確認しましょう。
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